2025/1/22 μ-180C + IR685 , Walther , Walter

FC-76で月の全体を眺めると、デランドルの東で暗闇の中に輝く2つの明るい光点が目に付きました。東西に平行に並んでおり、こちらを見つめる目のようにも見えました。

2025/1/22 05h57m

眼視では星のように見えましたが、撮影してみると東側は逆Lのような形をしています。
場所はワルター付近のようです。

LTVTでこの画像の撮影時刻から遡ってシミュレーションしてみました。
そうすると4時間くらい前にRay現象を起こしていたことがわかります。
ロビンソン氏のサイトを見ると、02時10分頃に「WALTHER SUNSET Ray」の予報が出ていました。
2つの星になるまでの過程が面白そうなので、また次回にでもじっくり見てみたいと思います。

05h57m 撮影時

04h57m 1時間前

03h57m 2時間前

02h57m 3時間前

LTVTのシミュレーションと見比べると、下の画像の丸印のところが光っているようです。

2023/9/7 μ-250



ロビンソン氏のサイトのワルターを見ていて少し違和感を感じました。
WALTHER SUNSETと書いてあるのですが、ワルターってこんな綴りだったかなぁ?
何か「H」が余分なような気がしました。

光点のことも調べたかったので、moon wikiのワルターを見ると次のように書かれています(Google翻訳のまま転載)

「1979 年にIAU は、北半球にある非常に小さなクレーターを指すために、一般名「ウォルター」の使用を承認しました。この名前は、NASA のTopophotomap 39B2/S1でもそのように使用されていました。どうやら 20 年間、月には「ウォルター」が 2 つあることに誰も気づかなかったようです。2000 年に、惑星系命名作業部会は、現在のクレーター (歴史的には Walter と呼ばれていました) の綴りを「Walther」に変更することを推奨することで、この問題を解決しました。多くのアマチュアと少数の専門家がこの変更に反対し、多くの人々は、現在のクレーターを指すために「ウォルター」という名前を引き続き使用しています。」 --- ここまで moon wikiより ---

つまり有名なワルター(Walter)は、現在は正式に「Walther」に変更された。
直径が100km以上ある大クレーターが、あとから名前の付いた1kmほどの小クレーターに名前を奪われた、ということでしょうか。
「Craters of Near Side Moon」や「Luna Cognita」にも「混乱が起きている」というふうに書かれていました。


となると、新しくWalterと名付けられたクレーターが気になります。
https://planetarynames.wr.usgs.gov/Feature/6482

このクレーターは以前取り上げた「赤ちゃんとガイコツ」のすぐそばにあります。
https://moonworld.jp/note/240423/
直径はわずか1.26kmで、クレーターと言うよりも三角形の窪みのような感じに見えます。
moon wikiにも「浅く不規則な形の窪み」と書かれています。
http://the-moon.us/wiki/Walter

過去画像を調べてみると、それらしいもの(丸印)が写っていました。
これが新ワルターだとは、ちょっと複雑な気持ちですね。
すぐ近くのディオファントスが直径18.5kmです。

2013/5/21 μ-250

下の画像はLROCによるWalterです。(丸印)

(C)NASA LROC Images