ラトレイユ山 , Mons Latreille

2025年1月15日にispaceの「HAKUTO-R」ミッション2 による月着陸機 RESILIENCE(レジリエンス)が打ち上げに成功しました。これから4~5か月かけて月面北部の氷の海への着陸を目指します。
https://moonworld.jp/note/241227/

この時に同じSpaceXのFalcon9ロケットで打ち上げられた米国のBlue Ghostは、2025年3月2日に危難の海(危機の海)にあるラトレイユ山の近くへ着陸する予定だそうです。
https://sorae.info/ssn/20250117-blue-ghost-hakuto-r.html

ラトレイユ山(Mons Latreille)という名前は聞いたことがなかったので、少し調べてみました。
登録されたのが2021/5ですから最近です。moon wikiにも載っていないようです。
https://planetarynames.wr.usgs.gov/Feature/15996
https://en.wikipedia.org/wiki/Mons_Latreille

直径は6.4kmでユニークな姿をしています。鍵穴の形をした大きな凹みがあり、古墳のようにも見えます。

下の画像はLROCによるラトレイユ山です。

(C)NASA LROC Images

英語版のWikipediaには ラトレイユ山はオシリスやアイシスに似ている、とあります。
オシリスやアイシスは、日本人の名前が付いたレイコ谷のすぐ近くにある火山性の地形です。
https://moonworld.jp/reiko/

下の画像はLROCによるオシリスとアイシスです。
上の円内がアイシス、下がオシリスで、右下隅にレイコ谷が見えています。直径がどちらも1kmとされていますが、実際にはもう少し大きいように思います。

オシリスとアイシス (C)NASA LROC Images

また ラトレイユ山は虹の入江の近くにあるメーランTにも似ているように思いました。
メーランTは直径3kmの頂上にクレーターがあるドーム地形で、頂上の凹みが「T」のように見えます。

メーランT (C)NASA LROC Images

ラトレイユ山は直径が6.4kmあるので気流が良ければ十分に写せそうです(二重クレーターのマルトの直径が7km)。
過去画像をチェックしてみましたがラトレイユ山は危難の海の中にあり、周辺には目立つ地形はありません。ですからこの付近を拡大して写した画像はありませんでした。

危難の海はよく撮影するので 気流の良い日の画像を拡大してみると、小さいながら何とかラトレイユ山を確認することができました。

2023/9/1 μ-250
上の画像の部分拡大

ラトレイユ山は高さが約150mしかないので、欠けぎわ近くでないと見えにくいのでは?と思います。
危難の海の内部で欠けぎわでは相当暗いでしょうから、拡大するのは厳しいかもしれません。
着陸前だと2/14が良さそうですが、真冬の気流で写るでしょうか?
また楽しみに見てみたいと思います。