2024/2/14 月齢4.4 μ-180C
縁の海やスミス海がよく見えていたので写してみました。
左上隅に、2024/2/15付の「危難の海の光点」が写っています。
縁の海(ふちのうみ)は月の東端付近に見える複雑な形をした海です。この縁の海付近に白っぽくうねる渦巻きのような模様が多数見られますが、これがスウォール(swirl : 渦巻き)です。秤動が良いときには手前側(地球に近い側)にあるスウォールがよく見えます。
大規模なスウォールはこの「縁の海」と「ライナーγ」、月の裏側の「賢者の海」にあり、いずれも強い磁気異常を伴います。何とも不思議な形をしていますが、どのようにしてできたかはまだよく分かっていないようです。
「縁の海のスウォール」はLunar100の一番最後、100番目です。
縁の海のスウォール
LTVTについて
LTVT「Lunar Terminator Visualization Tool」
LTVTは「月の欠けぎわを視覚化するツール」ですが、自分が撮影した月の画像を真上から見たように変換する機能もあります。以前からこの機能に興味があったのですが、操作方法がよくわかりませんでした。今回「ほんのり光房」の久保庭さんに教えていただき、何とか使えるようになりました。ありがとうございます。
今回撮影した1番上の「危難の海~縁の海」の画像をLTVTで処理してみました。
長方形で囲んでいるのが1枚目の長方形のあたりです。画像が横に引き伸ばされて、円内のスウォールが見やすくなりました。また危難の海は地球から見ると南北方向に縦長の楕円形に見えますが、実は東西方向に横長の楕円形をしています。その様子もこの画像からわかります。
処理するにあたり縁の海の真上から見た設定にしました。しかし画像を見ると、あちこちがかなり歪んでいますね。
この機能は秤動域については特に誤差が大きく、また僅かな設定の差でも思うような結果は出ないようです。しかし大変面白くて有用なツールだと思いますので、今後も練習を続けていきたいと思います。
下はNASAのLROCによる画像です。すぐ上のLTVTによる画像の白い円で囲まれたスウォールのあたりです。