2024/5/4 μ-180C IR685 + ASI462MM

前回に続いて5/4明け方の月です。
最近は月が低いこともあり、気流が悪い日が多かったのですが、この日は低空の割には安定していたように思います。(夜明け時で25°)

欠けぎわに赤ちゃん(ドリール山)が見えていました。赤ちゃんは魚の骨のように見えて、尖った長い影が何本も並んでいます。

2024/5/4 μ-180C

「2024/4/23付 赤ちゃんとガイコツ」ですが、「赤ちゃんのほうは赤ちゃんらしく見える」というコメントをいくつも頂きました。

一方、ガイコツのほうはあまり評判がよくありません。私も下弦側で太陽が高いとリアルなガイコツに見えるのですが、それ以外の場合は少し疑問でした。

今回もユニークな形ですが、ガイコツとは似ても似つかない姿をしています。
ただ赤ちゃんと違ってこちらは公式な名称がない(以前はドリール・アルファと呼ばれていた)ので、呼び方に困りますね。


最近は海外のサイトや書籍を見て、面白い見え方やユニークな名前が付けられた地形を見るのが楽しみです。そんな中には「なるほど」と思うものもあれば、「?」なものもあります。
とかく国内では人気がないと言われる月面観察ですが、テーマが見つかればなかなか面白いものです。

私も以前は夢中になって月面を撮影していましたが、気流が良い時に同じ地域を何度か撮影してしまうと何となく飽きてしまいました。そんな時にLunar100を知り、また夢中になったのですが、Lunar100を完走してしまうとまた冷めてしまった感じがしていました。

そんな中、海外の情報を頻繁に見るようになって、今まで知らなかったユニークな名所が沢山あることに驚きました。そういう対象をひとつずつ、自分の目とカメラで見ていくのがとても面白いですし、次に見える日を心待ちにしています。


赤ちゃんの影はとても印象的です。

2024/5/4 μ-180C 上の画像の部分拡大 南が上

過去画像でも同じような見え方をしていました。

2023/8/12 μ-250 南が上


画像

LROCで低い位置から見てみると、赤ちゃんは場所によってかなりデコボコしているようです。そのためにこのようなトゲトゲの影が現れるのでしょうね。手前が赤ちゃんでその向こうがドリール、クレーターです。

(C) NASA LROC Images

高低差も大きいようですね。

(C) NASA LROC Images


赤ちゃんの頭のすぐ南あたりから東方向へ、曲がりくねった蛇行谷が延々と伸びています。幅は1kmもありませんので難物ですが、面白い対象だと思います。過去画像を見ると、気流の良い時にμ-250でかろうじて写っていました。また条件の良い時に狙ってみたいと思います。

2013/5/21 μ-250

LROCによる蛇行谷の画像

(C) NASA LROC Images

(C) NASA LROC Images


またこのあたりは多くの名所が集まっています。

ドーム地形のグルイテュイゼン・ガンマとデルタ(Lunar100の49番)、ウサギの耳のような影を落とすクリーガー、アリスタルコスとシュレーター谷付近(11,17,22番)、馬蹄形のプリンツとプリンツ谷(86番)などです。リュンカー(62番)も少し見えています。

満月前と違ってアリスタルコスがあまり明るくないので、この付近を広く撮影するのに好都合です。

2024/5/4 μ-180C