2023/12/27 μ-180C IR685

この日は朝の9時33分が満月です。南東方向の秤動が良かったので、夜になってからフンボルトのクレーターチェーンを見てみました。これは以前から気になってた地形で上弦側ではなかなか見えませんでしたが、「ほんのり光房」の久保庭さんが満月過ぎに撮影されていたので、私も一か月遅れで狙ってみました。
早目の時刻の撮影なので月がまだ低く、気流はあまり良くありませんでした。それでも何とか写ってくれたようでほっとしました。

2023/12/27 20:34 μ-180C

下はLROCの3D画像によるフンボルトのクレーターチェーンです。手前の大きなクレーターがフンボルトです。

(C)NASA LROC Images

月面ウォッチングにはフンボルトのクレーターチェーンは「鎖は幅の広い谷のよう」と書かれています。しかしIAUのPlanetary Namesによると、フンボルトのチェーンはフンボルトから北東に伸びる細い谷?が青色で表示されています(上の画像でフンボルトから矢印へ伸びる細い谷?)。これを見ると、とても「幅の広い谷のよう」には思えません。LROC Quick Mapで見ると幅はせいぜい数km程度に見えます。
この細い谷の両側に浅くて幅広い谷のように見える地形がありますが、それを指しているのでしょうか?

また月面ウォッチングには22S,85Eという位置が示されていますが、これは細い谷の中央辺りの場所です。チェーンの幅が書いてあればよいのですが、全長のみで幅は見当たりませんでした。

上の画像で、フンボルトの内部にヘシオドスAのような綺麗な二重クレーターが見えます。このクレーターは存在は写るのですが、地上からだと真横から見るような角度になるので、二重になっている様子はなかなか写すことはできません。直径は8km程度なのでヘシオドスA(15km)の半分くらい、マルト(7km)と同じくらいでしょうか。名前は付いていません。


フンボルトのチェーンは全長が165km(moon wiki)あります。IAUに認められた月の表側のチェーンは11個ありますが、そのなかではアブールフィダのチェーン(219km)、シルヴェスターのチェーン(173km)に次いで3番目の長さです。下の画像は表側で最も長いとされるアブールフィダのクレーターチェーンです。

2016/5/14 μ-250

シルヴェスターのチェーン(173km)は北極に近い月の縁にあります。この位置だと、月の表面から出っ張った地形なら秤動次第で何とか見えるかもしれません。しかしクレーターチェーンは凹んでいるので、地上から見るのは非常に困難かと思います。


IAUのリストでは月の裏側のチェーンは9カ所あり、最長はオリエンタレ・ベイスンの近くのマイケルソンのチェーンで全長が456kmです。
オリエンタレ・ベイスンからは放射状に多くのクレーターの列が伸びていますが、ほとんど名前は付いていないようです。下はLROCの3D画像で、右下隅がオリエンタレ・ベイスン(中央が東の海)です。

(C)NASA LROC Images


このようなオリエンタレ・ベイスンから伸びるクレーターの列が、月の表側ではほとんど見られないのは残念です。
しかし下の3D画像を見ていると、バイイやインギラミの近くの小クレーターの並びはオリエンタレ・ベイスンの方向から来ているように感じます。左上隅がオリエンタレ・ベイスン、右下の大きなクレーターがバイイです。

(C)NASA LROC Images

下の画像は月の南西部を撮影したもので、インギラミ付近のクレーター列を囲んでみました。上の画像と比べると、恐らくオリエンタレ・ベイスン由来と思われます。この画像のように下弦側では判り難いので、また秤動が良い満月直前に見てみたいと思います。

2023/3/4 μ-250

下の画像はバイイの近くのクレーター列を囲んだもので、クレーターの密度はかなり疎らです。これもオリエンタレ・ベイスンの方向から伸びているように思えます。

2016/3/3 μ-250


フンボルトのクレーターチェーンから始まって、月の裏側の話になってしまいました。月の裏側は自分では見ることができないので、あえて避けてきたような気がします。でも今回、少しですが裏側の画像を見てみると、なかなか面白そうです。また時間を見つけて勉強してみたくなりました。