7月11日 μ-250
デランドルからティコ、クラビウスあたりまで、大型のクレーターがよく見えています。

2023/7/11 μ-250


矢印のマギヌスの内部には扇型に光が当たっています。
このようにクレーターの周壁の隙間から光が漏れて、直線状や扇型に光が当たる現象をRay(レイ)と呼ぶそうです。
6月30日付でもヘシオドスのレイについて取り上げました。

今回は下弦側でのマギヌスのRay現象でしたが、ほんのり光房さんの記事によると上弦側でも同様の現象が起き、しかも魔女の顔が現れるそうです。同記事によると、タイの人がSpaceweather.comのギャラリーに「A witch face on Moon」(月面の魔女の顔)というタイトルで画像を投稿されました。今年4月末の撮影なので最近のことですね。

マギヌスのRay現象そのものは以前から知られていたようです。しかし「魔女の顔に見える」ということはあまり情報はないようですし、このタイの人の投稿が最初でしょうか。(この投稿画像は左右が裏像になっているようなので注意が必要です。)

面白そうなので過去の画像を探してみると、ちょうど写っているものが見つかりました。2015年5月26日の画像です。

2015/5/26 μ-250

マギヌスの部分を縦向きに拡大して、目や唇などの位置を書き込んでみました。
たしかに不気味な感じがする細身の人の顔に見えます。
目とした小クレーターの右下にある小クレーターを目としても、また違う顔に見えますね。


下は全体に光が当たったマギヌスの画像です。

2008/7/24 YK-200

最近撮影した画像にもありました。こちらは今年の2月28日のものです。

2023/2/28 μ-250

拡大した画像です。

2023/2/28 μ-250

2015年の画像と比べると秤動が良くて、幅が広い顔のように見えます。偶然にも同じような光の当たり方なので2枚の画像を並べてみました。

また7月11日に撮影した下弦側のマギヌスのRay現象(一番上の画像)ですが、上弦側の魔女ほどリアルではありませんが、やはり顔っぽいものが見えるような気がします。これもアップにしてみました。
パーマをかけた髪で丸いサングラスをかけ、上を向いている人(ジョンレノンみたい?)のように私には見えます。
マギヌスはとても面白いクレーターですね。

2023/07/11 μ-250

月の中部~南部のクレーターが多い地域では、いわゆるRay現象は時々見かけるように思います。今までは特に気に留めませんでしたが、じっくり観察するとこのような面白い見え方をすることがわかり、これからは楽しみにしてゆきたいと思います。