ホイヘンス山は月の表側で最も高いと考えられている山です。
アペニン山脈の中央部にあり、高さは5500mもあります。(Mons Huygens)
5月24日にちょうどこの付近が夜明けを迎えました。
ホイヘンス山の高い場所に光が当たり、何ヵ所も輝いて面白い眺めになっています。(丸印)
なかでも2つ並んだ明るい光点は二重星のようです。
昼間のホイヘンス山を見ると、岬のような地形の先端のあたりが高そうに見えました。それで光点として光っているのは先のほうだと思い、過去の画像を見ていたのですがどうも納得できません。
先(北)のほうが光っている場合や、南のほうが光っている場合があるように思えます。
下は気流が非常に良いときに撮影した画像を部分拡大したもので、ホイヘンス山は青色の四角形で囲んだ尾根です。
この画像では影になって見えませんが、青矢印の付近に小さなクレーターがあって、その付近がホイヘンス山の最高地点だそうです。ということはその最高地点が光点として光っているということでしょうか。
過去の画像を見ていて気付いたのですが、上弦側ではホイヘンス山の南のほう(最高地点付近)が光り、下弦側では岬の先端あたりが光っているように見えます。
上弦側(南のほうが2カ所光る)
下弦側(北のほうが2カ所光る)
下の画像はアポロ17号が撮影したアペニン山脈付近です。(C)NASA Apollo17 Images
矢印の交点あたりがホイヘンス山の最高地点です。
この画像によると上記の通り最高地点付近に明るい小クレーターがあり、そのあたりがやはり高そうに見えます。この小クレーターの左にホイヘンス山の尾根が弧を描くように伸びていますが、これもかなり高く見えます。
この画像は上弦側で右から太陽光が当たっています。逆に下弦側の時には左から太陽光が当たります。そのため尾根の影で明るい小クレーターの付近が隠されて、上弦側で見えていた光点が下弦側では見えないのかなぁ、と思いました。
しかし下の画像のように下弦側で太陽高度が十分高くなった(影がなくなった)画像でも、小クレーター(矢印)の付近は暗いままでした。
このときも明るい2つの光点はホイヘンス山の北(岬)のほうです。
上弦側と下弦側でこんな風に見え方が変わるということでしょうか。とても面白いですね。
これからも機会があれば追いかけてみたいと思います。
KAGUYAによるアペニン山脈の映像です。
アペニン山脈の山々を立体的に感じることができる素晴らしい映像です。
ホイヘンス山もよくわかりますが、地名の表示はありません。南が上です。
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