2023/3/15 μ-180C
ピタゴラスのすぐ東にあるアナクシマンドロスは「T」のようなユニークな形に見えます。
アナクシマンドロスはこの大きなT字形のクレーターの一部で、アナクシマンドロスよりも大きなBやDなどが一体となって、Tの字に見えています。
アナクシマンドロスの直径は68kmですが、Bが79km、Dが96kmもあります。
「月の地形観察ガイド」にはクレーターの命名法について掲載されています。
アリスタルコス(40km)付近の例として、「直径20km以下のクレーターには近くのクレーター名のあとにローマ字の大文字を付ける」と書かれています。
大きなクレーターの名前の後ろにアルファベットが付く場合、本体よりもずっと小さなクレーターというようなイメージなのですが、このようにケースもあるのですね。
月の北部は大きくて浅いクレーターが多いようです。
かなり大きなクレーターでもアルファベットが付いていたり、名前が付けられていないようなものも多く見かけるように思います。
花びらが広がっているように見えることで有名なメトンも、花びらの部分はアルファベットの付いたクレーターです。
下は以前に25cmで撮影した画像です。
アナクシマンドロスの周壁あたりにアレキサンダーのような、ごつごつとした大きな岩が見られます。
また機会があれば、欠けぎわ近くで見てみたいと思います。
アナクシマンドロスのTの右肩の丸いくっきりとしたクレーターはカーペンター(60km)です。
NASAの月探査機による画像でも多くのクレーターが細長く連なっている様子が良くわかります。
上の「ぺ」みたいに見えるのがアナクシマンドロス、下の綺麗なクレーターがピタゴラスです。