ヒラヤマ Hirayama

「月探査情報ステーション」に日本人に関わる月面の地名の一覧があり、日本人の名前がついたクレーターが10個、谷が2か所あるそうです。そのうち7個のクレーターは月の裏側にあるため、地上からは見ることができません。ただしヒラヤマ・クレーターは月の裏側とは言ってもかなり表側に近いところにあるため、秤動(月の首振り運動)の条件が良い時には月の縁ギリギリに見ることができます。オリエンタレベイスンの中央にある東の海のような感じでしょうか。
ですから日本人の名前が付いたクレーター10個のうち、地上から全く見ることができないのはハタナカ、キムラ、ムラカミ、ナガオカ、ニシナ、ヤマモトの6個になります。

ヒラヤマは天体力学、古暦の研究で有名な平山清次氏と、東京天文台(現・国立天文台)第2代台長の平山信氏の二人の名前が付けられています。

ヒラヤマはスミス海の南東側にある直径132kmの大型クレーターです。日本人の名前が付いたクレーターでは最大で コペルニクスの約1.5倍あり、ラングレヌスとちょうど同じ大きさです。しかし地上からは大変見えにくい場所にあるため全く目立たず、月面図や月探査機の画像を頼りにスミス海から辿ってようやくわかる程度です。

上弦側だと細い月のほうが地形の詳細がよく分かります。
また満月直後に捉えることができればこの付近が欠けぎわになるので、地形の様子はより分かりやすくなります。ただし秤動の条件が良い時期と満月の夜が重ならないといけないので、このような機会はかなり限られてしまいます。

満月直後のヒラヤマ(満月の3時間20分後の撮影) 2013.9.19 23h33m

上の画像の拡大 (Lat -03°49′Long +04°52')

2015.3.26

月齢6.0のスミス海 (Lat +06°50′Long +06°53')

上の画像の強調、拡大
2014.1.6

月齢4.9のスミス海 (Lat -03°56′Long +06°37')

NASAの月探査機 LROの画像 (NASA/LRO Image)
矢印の大きなクレーターがヒラヤマ。中央がスミス海

NASAの月探査機 LROの画像 (NASA/LRO Image)

ルナ・オービターの画像 (NASA/Lunar Orbiter Image ii_196_m)