ピタゴラス Pythagoras
ピタゴラスは月面北西部の秤動域近くにある直径130kmのクレーターで「ピタゴラスの定理」で知られる数学者、ピタゴラスの名前が付けられています。月面の北部は古くて浅いクレーターが多いのですが、そんな中で周壁が明瞭なピタゴラスはとても目立ちます。
この日は秤動が良かったので内部までよく見えていますが、秤動が悪い時にはピタゴラス自体がほとんど見えなくなってしまいます。
2023/9/28 μ-250
ピタゴラスが明けてきて、中央丘の高い部分が光点になって見えていました。
また細く光る向こう側の周壁には、折れ線グラフのような黒々とした太い線が見えて驚きました。
下の画像は8/29に撮影したピタゴラスです。これと比べてみると、すぐに正体が分かりました。ピタゴラスにはコペルニクスのような立派な段丘があるのですが、その最上段の影なんですね。とても面白い眺めです。
NASAの月探査機による上空からの画像を見ると、周壁や中央丘などコペルニクスによく似ていて、とても美しいクレーターです。
コペルニクスは直径93kmですがピタゴラスは130kmもあることを考えると、月面の周縁部にあるのが残念です。正面から見ることができれば、さぞかし見事でしょうね。