2023/11/3 , 11/4 μ-250 , Arago Domes
この日はラモントが暮れるところで、南北に伸びる2本のリッジが美しく見えていました。絡みながら伸びる様子は白鳥座の網状星雲を連想してしまいます。
アラゴー・クレーターの北と西にはゴツゴツとした大きなドーム、アラゴーαとβを見ることができます。またアラゴーαのさらに北には3つの小さなドームが斜めに並んでいます(長方形で囲まれたところ)。
上の画像から2時間半くらい経ったアラゴー付近です。ラモント付近のリッジは途切れ途切れになってしまいました。そのぶんドームは明暗境界に近づき、アラゴーβから影が伸びています。「ドームは低い」という先入観のようなものがあるので、ドームから影が伸びている様子を捉えられると嬉しくなります。
下は前日(11/3)のラモント付近です。中央の丸いラモントと周りに広がるリンクルリッジがよく判ります。
追記
アラゴーαの北にある3つ斜めに並んだドームですが、月面ウォッチングには「4つの小ドームのグループ」とあり、月面図にも4カ所のドームが描かれています。またHarold Hillのスケッチにも4つのドームらしき地形が描かれています。このことは以前から疑問に思っていたのですが、今回良い画像(04h00mの画像)が撮れたので調べてみました。
この画像では「小ドームのグループ」がちょうど明暗境界で最良の気流でしたが、4つめのドームは確認できません。また4つめのドームの場所付近には直径2km程度のクレーターが写っています。
LAC MAP60を見ると頂上に小クレーターを持つドームが2つと普通のドームが1つの計3つが描かれていて、4つめの場所にはクレーターがあります。
GLRのドームカタログにも3つしか掲載されていません。
なおLROの画像は太陽高度が大きく、このような小さなドーム地形は確認することはできません。
以上のことより、4つめのドームは同じ場所にある直径2km程度のクレーターを見誤ったのではないか?という気がします。