月面V (LunarV)

月面Xが起こる頃、月の少し離れた場所にアルファベットの「V」のような地形を見ることができます。よく目立ちますし、月面Xと同時に見えているので既に気づかれている方も多いのではと思います。月面Xを撮影したことのある方でしたら、おそらく月面Vも一緒に写っていると思います。
月面Vはmoon wikiの月面Xのページなどにも「LunarV」として記載されています。周囲が暗く、月面Xと同じくらいの大きさがあるので見つけやすいのですが、「V」の字が途中で途切れているのが少し気になります。

月面Xと月面V  2013. 1.19 17時54分

下の画像は拡大撮影した月面V付近です。このあたりは谷の名所といわれる地域で、トリスネッカー谷やヒギヌス谷、アリアデウス谷など、数多くの谷を見つけることができます。白い線で囲んだところが月面Vです。
moon wikiによると月面Vの中心はウケルトM付近の2.2E,8.3Nで、太陽高度が約 +1°の頃が見ごろだとされています。下の画像は太陽高度が+1.19°で、Vの途切れたところがつながり始めています。このタイミングだとVはきれいに見えていますが、周囲が少し明るくなりすぎているような気もします。また連続画像を撮影して、見え方の変化を検証してみたいと思います。


2014.11.29 18時48分  ミューロン250 + DMK31AU03 太陽高度 + 1.19°
同上 文字、線なし
2015.4.26 18時47分
同上 文字、線なし

月面Vの正体

月面Vはトリスネッカーやヒギヌスの近くにあるウケルト(Ukert)クレーター付近から伸びるV字型をした2本の尾根が太陽光に照らされて輝いている姿です。この付近が夜明けを迎える頃、周囲はまだ暗いのですがこの地形の高い所に光が当たりはじめ、それがたまたまVのような形に見えます。下の画像の白い線で囲んだ部分です。

2012.9 撮影
同 上  文字、線なし
2016.5.14 19時43分