リトロー谷 Rimae Littrow

月面の細い谷を撮影するのはとても楽しく、なかでも多くの細い谷が絡み合うような地形は興味が尽きません。そのような谷の代表格はトリスネッカー谷だと思いますが、このリトロー谷も大変面白い対象です。

晴れの海の東縁にあるリトロー・クレーターはアポロ17号が近くに着陸したことで知られています(+の印)。このすぐそばの長方形で囲んだあたりがリトロー谷です。

2023/11/3 μ-250 1.5倍バロー

2023/11/3 μ-250

moon wikiやLac Mapを見るとRimae Littrow (I, II, III, IV, V, VI,&VII)のようにリトロー谷のなかの7本の谷に番号が付けられています。なかでも南西から北東に伸びる「Rimae Littrow I」 が最も長くて目立ちます。IはLROC Mapで見ると、幅が2~3kmあるように感じられます。

下の画像ではリトロー谷付近全体に光が当たっています。

2013/8/26 μ-250


LPODに興味深い記述がありました。「リトロー谷はプリニウスの北、メネラウスの北東、スルピキウス ガルスの北西を通過する同じ谷の中断された継続です。この家族のさらに多くのリールがル・モニエとポシドニウスの間の高地を横切って続きます。(Google翻訳のまま)」とのことです。
下の画像で(1)プリニウスの北、(2)メネラウスの北東、(3)スルピキウス ガルスの北西(4)ル・モニエとポシドニウスの間の高地、になります。
このあたりは晴れの海の境界に沿ってあちこちに細くて短い谷があるなあ、と思っていたのですが、これらは本来つながっていたということなのでしょうか。晴れの海を半周する谷を見てみたかったですね。

2023/11/3 μ-250

下の画像はLROCによるリトロー谷です。リトロー谷が幅が広く浅い谷であることがよく判ります。

(C)NASA LROC Images