ラモント Lamont

ラモントは静かの海の西側にあるゴーストクレーターで、周辺のリンクルリッジ(しわ)とともに特異な地形を作り出しています。他のリンクルリッジと同様に欠けぎわ近くになると大変目立ちますが、欠けぎわから離れると存在すら分らなくなってしまいます。

ラモントのすぐ西側にはアラゴー・クレーターがあり、近くにある二つの大きなドーム地形、アラゴーαとアラゴーβが有名です。このドームも欠けぎわ近くにならないと見つけることは困難です。

ラモントはLunar100の53番、後述のアームストロング、オルドリン、コリンズの各クレーターが90番、ディオニュシオスの光条が93番、サビン、リッターが38番です。

2016.3.14

2023/11/3 μ-250
2015.3.26
2017.10.11

アラゴーのドーム付近の拡大。欠けぎわ近くになると、アラゴーα、β以外にもいくつかの小さなドームが密集しているのが分かります。

2009.4.30 YK-200
2015.8.5

この地域はアポロ11号が着陸したことでも有名です。下の画像はラモントの南部を拡大したものですが、「+」付近が着陸地点です。着陸地点の近くのクレーターにはアポロ11号の3人の宇宙飛行士の名前が付けられています(アームストロング、コリンズ、オルドリン)。
この3つのクレーターはLunar100の90番です。

2015.8.5

2023/11/3 μ-250


サビン、リッターの西にあるディオニュシオスは直径17.6kmの普通の小型クレーターですが、太陽高度が高くなると暗い光条を発する珍しいクレーターです。下の画像でも黒っぽい光条が認められます。ディオニュシオスはLunar100の93番です。

2013.4.22

ラモントが欠けぎわに見える頃、晴れの海のサーペンティン・リッジ(スミルノフ尾根)も見ごろを迎えます。両者がちょうど欠けぎわにあたると、南北の長い範囲にリンクルリッジが広がり見事な眺めになります。

2017.6.15

「かぐや」HDTVによるアポロ11号着陸地点付近 (晴れの海~静かの海~ラモント)