ガウス Gauss

ガウスは月の北東縁にある直径177kmの大クレーターです。内部に小クレーターが並び、山脈や谷が目立つ大変ユニークな姿をしています。
ガウスは月の縁にあるため秤動の影響を大きく受けるので注意が必要です。上弦側だとタイミングとしては見やすいのですが、地形の詳細はよく判りません。やはり秤動の良い満月直後を狙いたくなりますが、月はすぐに欠けてガウスは見えなくなってしまいます。
「月の地形観察ガイド」には「もしガウスが表側中央部にあったならば、月のクレーターのスーパースターになっていたことでしょう」と書かれています。
2023/9/1と8/2は秤動が良く、満月直後の欠けぎわのガウスを捉えることができました。

2023/8/2 μ-250

2023/9/1 μ-250

8/2の画像はガウス内部のクレーターがリングのように光っています。これはクラビウス内部の小クレーターが光って目のように見えるクラビウス・アイに似ているように思います。(下の画像)

2023/6/27 μ-250

LROの画像を見ると、ガウス内部に大きさが異なるクレーターが弧を描くように並んでいます。この様子はクラビウスによく似ていますね。クレーターの大きさはガウスが177kmに対してクラビウスは225kmもあります。

LROによるガウス

(C) NASA LRO Images

LROによるクラビウス

(C) NASA LRO Images

下の画像は上弦側のガウスで、撮影時の月齢は4.6です。やはり上弦側だと影があまりできないので、地形の詳細は判り難くなります。

2017/5/30 μ-250

かぐやによるガウス

かぐやによるガウス ⒸJAXA/NH