アリスタルコス北方のくぼみ
saucer,dent,ghost crater ? near Aristurcus ,(Avani's Ghost)
2025/12/31 μ-180C + フラットナーレデューサ + ASI462MM + IR800
大晦日は「アリスタルコス北方のくぼみ」がちょうど欠けぎわで見ごろでした。この日は寒くて風が強く、気流は良くなかったのですが、FC-76DSの眼視でもよく見えていました。
この地形について
この地形は月面観測のバイブルとして広く知られる「月面ガイドブック」(高橋実著、誠文堂新光社、1974年2月10日発行)や「写真で見る月面観測」(誠文堂新光社、天文ガイド編、1968年8月5日発行)に写真入りで詳しく紹介されています。
これには「新発見のくぼみ」というタイトルで「木星観測で知られる広島の佐藤健氏がこのくぼみを見つけた」とあり、写真とともに詳しい解説が掲載されています。
私も子供の頃から馴染みのある地形でした。また天文雑誌に写真を投稿していた頃、この付近の画像も掲載していただきました。1991年のことです。自身のコメントとして、このくぼみ(ソウサ)についても触れていました。
このように「アリスタルコス北方のくぼみ」は、日本の月愛好家にはよく知られた地形です。
ところが2年ほど前、LPODのアーカイブ(2013年分)を見ていると「海外の方がこの地形を発見した」というようなことが書かれていました。その方のサイトを見ると「2012年に見つけた」とのことです。moon wikiにもその名称が記載されています。
かなりモヤモヤした気持ちになりましたが、その方も既知の地形ではないか?と色々手を尽くされたようなので仕方のないことなのでしょう。もちろんネットでも検索されたそうです。
ただ半世紀以上前に日本人が発見し、当時から日本ではよく知られていた、ということはネットに残しておきたいので、2023/8/15付の撮影日記などにその旨を英語で記載しました。
さて、昨年末のことですが、ネットを見ていると佐藤健氏ご自身がこの件について書かれている記事を見かけました。花山星空ネットワークの会報「あすとろん」39号(2017年)のP18(サムネイルでは20)です。
この件以外にも この地形を見つけた時のエピソードや、実は先に見つけた人がいることなど大変興味深い内容です。
また佐藤健氏の発見について、BAA(英国天文協会)の古い出版物にも記録が残されているとのことで、とりあえずほっとしました。
やはり何か気になるものを見かけたら しっかりネットに記録を残したり、どこかに報告することが大切ですね。



