2023/8/13 μ-250

アリスタルコス北方のくぼみですが、「写真で見る月面観測」に「月齢24~25のころにも見られるはずですが、くわしい観測が不足しているようです。皆さんの調査研究をお待ちします」とあります。
この日は月齢26.1でしたが秤動の関係で、ちょうどこの付近を欠けぎわで見ることができました。

2023/8/13 μ-250

下の画像の通り、くぼみの辺りにはウラストンDを通る丸いリッジか段差のようなものがあり、南北方向のリッジで左右に二分されています。
上弦側(満月前)では左側半分が窪んでいるように見えるのですが、この画像(下弦側)では右側が少し暗く見えています。左側はそれほど窪んでいるようには見えない感じです。

上の画像の拡大

2023/7/29には上弦側(満月前)で見ることができました。

2023/7/29 μ-250

この地形を初めて知ったのは、「写真で見る月面観測」(誠文堂新光社、天文ガイド編、1968年8月5日発行)の高橋実氏による「5~10cm望遠鏡による観測ガイド」でした。

これには「新発見のくぼみ」というタイトルで「木星観測で知られる広島の佐藤健氏がこのくぼみを見つけた」とあり、写真とともに詳しい解説が掲載されています。

また月面観測のバイブルとして広く知られる「月面ガイドブック」(高橋実著、誠文堂新光社、1974年2月10日発行)にも同様の記載があります。

saucer , dent , ghost crater ?  near Aristurcus
I learned about this topography for the first time in "Observation Guide with a 5-10cm Telescope" written by Mr. Minoru Takahashi in "Observation of the Moon in Photos" (Seibundo Shinkosha, Astronomical Guide Edition, published on August 5, 1968).
It is titled "Newly Discovered saucer" , "This saucer was discovered by Takeshi Sato of Hiroshima, who is known for observing Jupiter." A detailed explanation is included along with the photos.
There is also a similar description in the "Lunar Guidebook" (Minoru Takahashi, Seibundo Shinkosha, published on February 10, 1974), which is widely known as the bible of lunar observation in Japan.