2026/1/3 月齢17.5 μ-180C + フラットナーレデューサ + ASI462MM + IR800
ヒラヤマは平山清次氏、平山信氏の二人の日本人の名前がついたクレーターです。
月の裏側にありますが、かなり表側に近いところなので、秤動の条件が良い時には月の東縁ギリギリに見ることができます。
上弦頃までのあまり太くない月で秤動が良いとき、ヒラヤマは比較的簡単に捉えることができると思います。ただこの場合は欠けぎわとは反対側で太陽高度が高く、地形の詳細はわかりません。
満月直後に見ることができれば面白いのですが、月が欠け始めるとヒラヤマはすぐに隠れてしまいます。ですから東側の秤動が良い日に満月直後のタイミングで見る必要があり、なかなかチャンスは訪れません。
今年の天文年鑑を見ていると、年明け~春先に満月頃の東側の秤動が良さそうです。もっとも条件が良いのが3/3でその次が1/3でしょうか。
それぞれの秤動の数値を見ると
2026/1/3 20h00m頃 : -05°18′, +04°06′(満月:19h03m)
2026/3/3 22h00m頃 : +00°51′, +05°21′(満月:20h38m)
です。
以前に満月直後にヒラヤマを撮影することができた(向こう側の周壁も記録できた)のは2013/9/19で、秤動は次の通りです。
2013/9/19 22h00m : -03°48′, +05°04'(満月:20h13m)
向こう側の周壁が見えるかどうか、というのは東西方向の秤動の影響が大きいように思います。3/3は+05°を超えているので見えそうだし、1/3は+04°くらいなので難しいのでしょうか?
実際に見てみないとわからないので2026/1/3に撮影してみました。気流はかなり悪かったように思います。
ヒラヤマ内部の北寄りに何か細い光の筋が見えますが、どうも向こう側の周壁とは違う感じです。LROCの3D画像と見比べてみると、プルキニェ~プルキニェK~ヒラヤマYへと続く尾根あたりでしょうか。2013/9/19の画像にも、それらしきものが写っているように見えます。
次に過去画像の中で、条件は良さそうなのにヒラヤマは手前側の周壁以外は何も写っていない、というケースを探してみました。2023/9/29が該当し、この時の秤動は
2023/9/29 21h00m : -02°50′, +03°37'(満月:18h58m)です。
以上のことから東西方向の秤動に関して 3°30′位では何も見えない、4°位になるとヒラヤマ内部に南北に延びる短い光の筋が見える、5°位になると向こう側の周壁が見える、という感じでしょうか?
また満月からあまり時間が経過していないほうが位置的には見やすいと思いますが、多少は月が欠け始めたほうが周辺の地形を含めて詳細がわかりやすくなるような気もします。
こんな風にいろいろ考えていたのですが、以前に「ほんのり光房」の久保庭さんが「満月直後にヒラヤマ・クレーターが見えるタイミング」という記事を掲載されていました。私のように過去の経験から推測しているのではなく、きちんと計算された結果ですから確かだと思います。大変参考になります。
それによると、やはり今年の3月3日は見えそうなので楽しみです。
ただ問題があって、今年の3月3日は皆既月食です。部分食はヒラヤマの反対側あたりから始まり、皆既を経て後半の部分食はヒラヤマ付近が最後まで隠れています。つまり皆既中に満月のタイミングを迎え、後半の部分食が終わる頃までヒラヤマを見ることはできません。
皆既中や部分食中に露出を伸ばせば様子を探ることができるでしょうか。また満月の前後で見え方の変化はどうでしょうか。
前回の皆既月食では西側の秤動が良く、アインシュタインを見ることができました。今回はヒラヤマと、なかなか楽しみな月食が続きます。





