フラマウロの真珠のネックレス

μ-180C IR800 , Fra Mauro Pearl Necklace

「フラマウロの真珠のネックレス」は2007/12/18付のLPODに「The Pearl Necklace」として紹介されている現象です。Phil Morgan氏の芸術作品のようなスケッチを見て、是非この現象を見てみたいと思いました。

そのスケッチは少し誇張しているのでは?とも思っていたのですが、実際に見てみると雰囲気をうまく捉えていて、とても素晴らしい作品だと感じました。

2025/1/8 18h28m

2カ所、手書きの線で囲んでいますが、上のほうがフラマウロの周壁、下はボンプランの周壁です。初めてこの現象を見たとき、ボンプランのほうが明るくて早く見え始めるので、てっきりこちらがフラマウロだと勘違いしてしまいました。なかなか繋がらないなぁ、と思って見ていると、いつのまにか北側に大きなネックレスが見え始めて、「こちらがフラマウロだ!」と気付きました。

moon wikiを見ると、両方を合わせて「フラマウロとボンプランの真珠のネックレス効果」と紹介されています。LPODのMorgan氏のスケッチではフラマウロのみが描かれていたので、もうひとつネックレスが見えるとは知らずに油断してしまいました。スケッチだと写真と違って時間の制約があるので、フラマウロのみを取り上げたのでしょうね。


下は2025/1/8の「フラマウロの真珠のネックレス」の変化です。

2025/1/8 17h42m

2025/1/8 18h04m

2025/1/8 18h28m




この付近はフラマウロ丘陵にあたり、インブリウムベイスン(雨の海の凹み)生成時の放出物が厚く堆積しているといわれます。アポロ14号もこの付近に着陸しました。

2023/6/27


下はアポロ16号によるフラマウロ丘陵の画像で、上の画像とほぼ同じエリアが写っています。

(C) NASA Apollo16 Images AS16-M-1419


フラマウロの西側の周壁はなだらかで、小さなクレーターが多く見られます。それでこの現象のような見え方をするのでしょうね。

「フラマウロの真珠のネックレス」と「ヘシオドス・レイ」は、ほぼ同時に起こるようです。下の画像はその様子を捉えたものです。

2025/1/8 18h08m