2025/1/15 μ-180C + IR800 , テレビュー2倍バロー . Zeno steps

月の北東部にあるゼノン(Zeno,65km)が夕暮れを迎える頃、ゼノンの南東に階段のような4本の平行な光が現れます。

2025/1/15 21h46m

この日はよく晴れましたが冬場特有の非常に悪い気流でした。特に見え始めの頃は高度が30°ほどしかなかったので酷かったのですが、それでも時間が経つにつれて高度が上がり、気流はやや改善しました。

このあたりは月の北東縁にあたり、地形がわかりにくい場所です。
ゼノン・ステップが起こるのはゼノンとガウス(177km)の中間付近になるのですが、ガウスは影になって全く見えなくなります。
下の画像はゼノン・ステップよりも少し早いタイミングの過去画像で、まだガウスがよく見えています。

2023/8/2 23h46m

moon wikiには「ゼノン・クレーター付近が夕方の明暗境界の頃にイギリスのStefan Lammel氏が撮影した奇妙な光と影の効果(clair-obscur)。彼はゼノン・ステップと呼んでいる」と紹介されています。
https://www.pbase.com/slammel/image/69881336

ゼノン・ステップの変化
約1時間半の変化です。眼視やモニターで見ているとかなり変化した(横幅が短くなった)ように感じたのですが、画像で並べるとそれほど変わってないように見えます。
今回見ていた1時間半ほどのあいだでは思ったほど変化がなかったので、案外幅広い時間帯でそれらしく見えるのかもしれません。

20h56m

21h29m

21h56m

22h25m

下はLROC QuickMapの画像です。中央の2つのクレーターがゼノン・ステップ付近です。
下側の丸くて深いクレーターがゼノンH(17km)で上側のクレーターには名前は付いていません。これらの周壁が光っているのでしょう。

(C)NASA LROC Images

今回と同じような条件でゼノン・ステップが起こるのは2025/9/9の午前2時頃です。ただし秤動が良くないので、少し見えにくいと思われます。