HAKUTO-Rミッション1では2023年4月26日に月面軟着陸を目指したものの、残念な結果に終わりました。
今回のミッション2は最速で2025年1月中旬に打ち上げ、月面着陸はその4~5か月後に実施されるそうです。

ミッション1の着陸地点は当初は死の湖でしたが、その後アトラスに変更されました。また「バックアップ地点として、夢の湖、虹の入江、嵐の大洋 等を想定」とのことでした。

ミッション2は2024/9/12の記者発表会で 着陸地点を「氷の海(寒さの海)」の中央付近とすることが発表されました。下のリンク先の画像に概略の位置が示されています。
https://ispace-inc.com/wp-content/uploads/2024/09/JP_ispace_press-release_Unveiling-of-FM-RESILIENCE.pdf

2024/12/18には公式youtubeにて ミッション2の着陸予定地点が示されました。
それによると場所は氷の海(寒さの海)でプラトーの北東にあたり、W・ボンドの南西付近になります。
また以前掲載した「メードラーの菱形」の東側にもあたります。
詳細は以下の動画をご覧ください。
https://youtu.be/UJA0lAEMqaw?t=1030

2016/8/25 μ-250
2016/8/25 μ-250


youtubeを見ながらLROCの画像に着陸予定エリアの大体の位置を書き込んでみました。中央付近の小さな楕円形あたりです。

(C)NASA LROC Images

この画像を見ると、左側に4つほど特徴的なクレーターの並びがあってわかりやすそうですが、これらのクレーターは直径が1kmほどしかなく、はっきりと撮影するのはなかなか難しそうです。
(プラトー内部の小クレーターの直径が約2kmほどなので、その半分くらいです。)

もう少し引いたLROCの画像だと、中央あたりに大きめのクレーターが2個見えてきます。このクレーターでしたら直径5kmと4kmほどなので十分捉えることが出来そうです。一番上のμ-250の画像でも矢印のすぐ近くに くっきりと写っています。

(C)NASA LROC Images

氷の海は月の北部にあり、東西方向に細長く広がった海です。
「着陸地点から遠く離れた飛行経路上でも、クレーターのような起伏の激しい地形が無い、平坦な場所」として選ばれたそうです。
氷の海は空港の滑走路のように細長くて平坦なのでぴったりですね。
たしかにこの付近には目立つ地形は少なく、月面図を見てもほとんど地名は掲載されていません。

ispaceの記者発表会の画像を見ると、この着陸予定地点から西側に3カ所、BU-1 BU-2 BU-3 という地点が示されています。この4点は東から西へほぼ直線上にあり、プラトーの北東から虹の入江の北東あたりの氷の海になります。
過去に撮影した画像に概略の位置をプロットしてみました。名称から考えても着陸地点のバックアップ候補ということでしょうか。(白丸が着陸予定地点、赤丸が上からBU-1,BU-2,BU-3付近)

2024/7/28 μ-180C 左が北

今回も燃料節約のためにずいぶん遠回りをした行程になるようですが、ぜひとも成功させていただきたいと願います。