2024/8/28 μ-180C + IR685 , Wurzelbauer
ヴュルツェルバウアーはピタトスやヘシオドスの南にある直径88kmの浸食されたクレーターです。とてもユニークな外観で、欠けぎわに近づくとクレーター底が大きなドームのように膨らんで見えます。
この日は そのようなヴュルツェルバウアーがよく見えていました。
LPODによるとヴュルツェルバウアーは「クレーター内のクレーター」とされています。すぐ近くにあるヘシオドスAのような同心円の二重クレーターではありませんが、以前から存在したクレーターの中で2回目の衝突があり、中心がずれた2つのクレーターが重なっているようです。
また隆起したクレーター底は広くて凹凸があり、盆地からの噴出物のように見えますが、それらしい発生源は見当たりません。
確かに全体に光が当たったヴュルツェルバウアーを見ると、2つのクレーターがずれて重なったように見え、あとから衝突した東側(右側)のクレーター底が盛り上がっているようです。
下の2枚はLROCによる画像です。
ヴュルツェルバウアーをネットで検索すると、Cloudy Nights や StargazersLounge で「顔が見える」とか「月の悪魔」などというトピックが見つかります。
https://www.cloudynights.com/topic/807372-the-moon-demon/
https://www.cloudynights.com/topic/185383-face-in-wurzelbauer/
https://stargazerslounge.com/topic/353523-moon-demon/
同じように見える過去画像を探してみました。
部分拡大して角度を調整しました。目や口があり、確かに顔のように見えますね。口が大きく裂けているようにも見えるので悪魔なのでしょうか。
ここでは月面ウォッチングに従い、クレーター名をヴュルツェルバウアーとしました。ドイツの天文学者の名前だそうです。
「月の地形観察ガイド」ではベッツェルバウワーと記載されています。