雨の海の溶岩流 Imbrium Lava Flows
雨の海西部には広い範囲に溶岩流があり、地上から望遠鏡で捉えることができます。
「月の地形観察ガイド」によると噴出口はオイラー付近で平均厚さは35m、全長は600kmに及ぶとのことです。特にカリーニとマクドナルドのあいあだからル・ヴェリエA付近に続く川のような溶岩流は見事です。ただしこの地域が欠けぎわギリギリに来ること、および気流が十分に安定していないと見ることはできません。
ここに掲載した画像は主にμ250(口径25cm)で撮影し、かなり強めの画像処理をしています。ですから実際には画像よりももっと微妙な見え方ですが、条件が非常に良い日には10cm屈折で川の流れのような部分をはっきり見ることができました。
雨の海の溶岩流はLunar100の98番です。
溶岩流のおおまかな位置と形状は次の通りです。
オイラー~ディオファントス付近から始まり、ハイス~ラ・ハイヤー山付近までは様々な方向に広がり、複数の流れが見られます。それからツィルケル尾根を横切り、カリーニ~マクドナルド付近で目立つふたつの舌状の膨らみがあり、その先は川の流れのようにカリーニD~ヘリコンBを通りル・ヴェリエA付近で終わります。
溶岩流の目立つ輪郭は以上ようなものだと思いますが、微妙な海の明暗やリッジとの区別など詳細はよくわかりません。様々な位相での撮影が必要だと思われます。
全体を一枚の画像で写すことができればよいのですが、欠け際から少しでも離れると途端にわからなくなってしまいます。ですから欠けぎわが異なる複数の画像で捉えるしかありません。




アポロ15号が撮影した画像との比較
黄色の線で囲んだあたりがアポロ15号の画像に写っている地域になります。
黄色の線で囲んだ部分(舌状の2つの膨らみ)が下のアポロ15号の画像の中央付近に見えています。
2023/7/12の雨の海の溶岩流
この日は溶岩流の先端あたり(ヘリコンやル・ヴェリエ付近)がちょうど欠けぎわです。ここからラ・ハイヤー山やランバートにかけての流れは素晴らしいのですが、いくつかの溶岩流が隣り合ったり重なったりしているようで、どうなっているのかよく分かりません。そこでかなり強めの画像処理をしてみました。
2005年4月26日のLPODを見ると、この付近について4つの溶岩流の輪郭が示されていました。Link
これをもとに、上の画像に大体の輪郭を書き込んでみました。
1はラクダのこぶのような、雨の海の溶岩流で最も目立つ部分です。
2も輪郭がはっきりとしていて分かりやすい流れです。
3と4のあたりは何か流れがあるのは分かかるのですが、どうなっているのかはっきりしませんでした。
このLPODの記事により、かなりすっきりした感じがします。
ただこれ以外にもまだ淡い流れがありそうです。
またもっと西側のオイラーあたりの流れも非常に複雑なので、わずかな明暗境界の差でも何か面白い物が見えてきそうです。












